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こんにちは
スマートデザインの南口です
今回は「窒化ガリウム(GaN)」という物質を使った充電器について書いていきます
かなり学術的な内容になりますが
読んでみてきっと損はさせない、そんな内容になっております
まず、そもそも前提知識として
「窒化ガリウム」って聞いたことはありますか?
結構マニアな方なら1度くらい目にしているかとは思いますが
一般の方はまっっっっったく聞いたことがないと思います
簡単に言うと、最近普及してきた【半導体】の一種と考えてください
半導体なら聞いたことがあるのではないでしょうか?
そうです、ケイ素とかシリコンとかゲルマニウムとかのそれです
窒化ガリウムはシリコンに取って代わる「次世代の半導体」と呼ばれていて
身近なものだと最近の「急速充電」の充電器によく使われている物質です
ちなみにノーベル賞を受賞した青色LEDの材料にも使われたことでも注目を集めました
では、窒化ガリウムの何がすごいかを紹介します
少し難しい話も入ってきますが、少々お付き合いください
「簡単に言えば…」の後の文章だけ、読んでいただくのでも大丈夫です
まず、物性的に
シリコンに比べてバンドギャップが広い(WBG)という点が優れています
そのため動作上限温度が高いです
簡単に言えば比較的高温でも動作可能で便利ということです
また、従来のシリコンは
どうしても動作時、特に大きな電圧や電流を流すときには熱くなりやすいものです
そのため、充電器自体を大きくして放熱できるようにしなければなりませんでした
一方、窒化ガリウムはそもそも熱くなりにくいですし、
熱伝導性が優れているため、放熱性が高く、安全な上、充電器自体のサイズも小さいのが特徴です
実際、同じ出力のものを並べてみるとこれほどまでに大きさに差があります
▼例えば、同じ60Wの性能を持つ充電器同士で比較しても明らかに大きさが違いますね
結果としてGaNを使った充電器はシリコンのものとは違い
放熱のための構造をつけなくてよい分
軽い上に小さく済むのが利点です
次の利点として挙げられるのが
破壊電界強度が高いことです
難しい言葉が出てきましたけどご安心ください
破壊電界強度とは「これ以上の負荷には耐えられない!」というもので
これが高いということは
簡単に言えばシリコンよりも壊れにくいということです
また、電力の供給効率が他より高いことも利点の一つです
GaNの電力の高い供給効率は、その構造内部での電子の伝導率が良さが起因しています
つまり簡単に言えば電流を通しやすいということです
電流を通しやすいならば、電力のロスが少なくなります
実際にシリコンの場合、5%程度の電力のロスがありますが
窒化ガリウムの場合、電力のロスが0.75%にまで抑えることが可能です
しかしメリットばかりではありません
窒化ガリウムを素材としたトランジスタは製造コストが高いというデメリットがあります
やたら値段が高い充電器があるのはそのためです
では、小難しい内容をつらつらと書いてきましたが
次回、実際に窒化ガリウムの使われている充電器を紹介していきましょう
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